戒の存在

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「……冗談だろ…」 「オイこらどこ行く来だよ」 護は来たばかりにも関わらず、荷物をまとめて走り出した。 「早退する!後は頼んだぜ!」 サムアップで振り返る護に多少イラっときたと俊也くんは語ったそうです。 ところがドアに手をかけた瞬間、間が悪い事に担任の先生(塚原先生)が入ってきてしまった。 「んー? 道引君どこ行くのかな?」 「えっと…そ、その……早退…ってことで…」 塚原先生は最後まで聞かずに遮った。 「無理。却下。はいはい席戻ってねー」 「チッ…」 しぶしぶだが席に戻ることにした。ってか選択肢が他になかった… それを満足そうに見届け塚原先生は教卓に付いた。 「まず最初に良いお知らせがあります。このクラスに転入してきた子がいます。どうぞ入ってー」 教室のドアが開き、女の子が入ってきた…… その子は教壇に立ち黒板に名前を書いた後、一通りクラス中を見回した。 「初めまして。雨宮 翔子です… これからよろしくお願いしまーす!」 そこに立っていたのは紛れもない……見間違うわけがない…… 昨日の竹藪であったあの少女……雨宮だった。
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