戒の存在

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「ん?カラかよ…」 「あれ……そんなはず…」 護は紙袋の中からクロの首もとをつかみ上げ宙ぶらりんの状態で俊也の目の前につきだした。 「ニャ~」 「ん?どれどれ、あー手相に女難の相が出てますねー って…俺は占い師か!? この手に何か書いてんのか?」 護は雨宮の方を振り返った。そしてクロは護の手を振りほどき頭の上に飛び乗った。 「やっぱりここが一番落ち着く…」 俊也には聞こえないように雨宮は護の耳元で小声でつぶやいた。 (周りには見えないの。見えるのは魂を一度でも切り離した事がある人だけよ) 護は俊也にゆっくりと視線を戻した。 「まあ気にすんな」 突如、教室の前方……教壇側から少し怒りの混じった声が響いてきた。 「さっきから黙ってたけど…後ろの三人組!!」 「三人組?…1…2…3…?」 俊也はまず自分を指差し、次に護、最後に雨宮を指差した。 「先生ーそれって俺らのことかいな!?」 「はい正解。そして、廊下に立ってなさい!」
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