戒の存在

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二人はしぶしぶ秋の風が微かに吹く廊下へと足を運んだ。 そんな二人に対し、なぜか雨宮だけは嬉しそうに教室を後にした。 「なあ護」 「ん?」 クロが頭のてっぺん付近をワシワシしている。けっこう楽しんでいるようだ。 (あー、ウゼー) 「一生のお願いだ!雨宮さんに俺のこと紹介してくれよ~」 「はぁ?そんなこと自分でやれよ…… 何で俺がそんなだるいことを……」 「だって恥ずかしいじゃんかよ」 護は感心したように頷いた… 「俊也にもそんな感情があったんだな…」 「なになに?」 雨宮がひょっこりと護の後ろから顔を出したとたん俊也の態度が一変した。 「あっ初めまして!俺、柿本 俊也っていいます。コイツとは昔からの付き合いでね」 (どこが恥ずかしいんだか…) 「よろしくね」 俊也は天にも昇る勢いだ。しかしその勢いは一瞬のうちにかき消された… 廊下の向こうから授業中にも関わらず数人の人影が歩いてくるのだ。
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