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―裏山の頂上の祠―
これはたぶん獣道であろう……いや、道と呼べないような所を通り、たどり着いた先は小さな祠だった。
そこは生い茂った木々に囲まれているため、薄暗く太陽が遮られている。
中心付近には縦150センチメートルぐらいの小さな祠があり、不気味な雰囲気を醸し出している。
祠には野生の蔦が鎖のように絡みついて、もはや扉を開けるのはほぼ不可能に近い。
「しかし、ここはいつ来ても不気味だな…」
「何だ何だビビっとんのか?情けないのー」
ビビる護にすかさず金剛が冷やかしを入れた。
「そんな事を言ってはなりません」
「自分だって声震えてんじゃねえか!!弁慶!」
「きょ、今日は喉の調子が悪いんじゃい……それにワシは弁慶じゃねえ金剛じゃい」
(この二人をつれてきたのは間違いかしら……)
もっともである。
「雨宮、ところで敵どこだよ?」
「さぁ(笑)」
「……」
笑いながら肩をすくめる雨宮と無言の二人と二匹…
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