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「誰だよ!?」
電話の向こうからおそらく少女であろう声がした。
「あなたが護ね…もうすぐあなたの大切な人がこっちの世界に足を踏み入れてしまうわ…あなたが止めなければならないの……」
「ハァ?あんた頭大丈夫か?ってか何で俺の名前知ってんだよ!?」
「私を信じるも信じないもあなたしだいよ」
そこでプッツリと電話が途絶えた。
というより一方的にぶちぎられたの方が正しい。
「なんだよ…頭おかしいんじゃねえか?一番大切な人?訳わかんねえっての…」
護は少し気にかかったが中途半端にしたままのゲームを思い出して一気にそんな思いは吹き飛んだ。
「ま、いいか………あれ?…たしか非通知拒否設定のはずなのに…かかってきた…よな?」
背筋に何か冷たいものが走った。恐怖……いや、得体の知れない何か……とにかく嫌な予感がしたのは間違いない。
あの時、ほんの少しでも違和感を感じていたら未来は多少なりとも変わったのかもしれない……と、何度となく後悔したか…
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