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雨は嫌いだ。
雨と聞いただけで憂鬱になる。たぶん同じように思っている人、日本中に何万人?何千万人?といることだろう。
でも、梅雨入り前のこの時期の雨には、ちょっと楽しみにしていることがある。
7年前の6月、結婚して間もない頃、小さな紫陽花(あじさい)の鉢植えが届いた。結婚前まで勤めていた会社の後輩からの贈り物だった。小さいけれど可憐に咲いている、淡い紫色が印象的だった。
花が終わった後、ためしにアパートの部屋の外の土に植えてみた。
翌年、みごとにまた、紫色の花を咲かせた。
それから7年、今では数え切れない程の花が増え、道行く人々の目をも楽しませてくれている。
5月のこの時期は、まだつぼみも小さいけれど、青々とした葉が美しい。雨の日には、葉に付いた水滴がきらきら光って、また別の表情を見せてくれる。
これから梅雨に入り、つぼみが増え、次第に小さな花を咲かせて行く。その花たちも、淡い紫から濃い紫へと次第に変化して行く。その過程の微妙なコントラストも実に美しい。花が終わり、散って行く様も、趣があっていい。
いつしかこの紫陽花に、心が和まされるようになった。
7年前、こんなささやかな楽しみを届けてくれた、のんちゃん。ありがとね。新居が出来たら、この紫陽花、絶対連れて行くからね。
紫の花が綺麗な頃、また遊びに来て下さい。
雨が嫌いなみなさん、こんな小さな幸せを、見つけてみませんか?
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