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『もうやめてよ!』
『うるさい!
お前がもっと稼がないから!』
嫌な目覚まし時計だ。
無理矢理にでも、
起こしてきやがる。
この夫婦喧嘩も、
今では日課みたいになった。
うちの家庭は、俺を高校に
行かせるだけで精一杯らしい。
おかげで親のどちらも、毎日仕事だ。
ストレスが溜まっているのか、
夜は怒鳴り声が家中に響く。
おかげで近所では、
痛い目で見られている。
「…寝よ」
毛布に潜り込んで、
音をさえぎった。
もうここは、俺だけの世界。
入ってくるな。
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