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「目が覚めた?」
「…先生?」
「廊下で急に男の子が倒れたって聞いて、びっくりしたわよ」
「…ああ、気絶したんだ」
「で、保健室に連れて来られたわけ。
とりあえず理解した?」
「あ、はい」
「とりあえず親御さんは呼んであるから。
家でゆっくりしなさい」
『理解した?』なんて言われても、
すべて理解してる訳じゃない。
どうして倒れたのかだって分からない。
やけに、あの時の痛みだけが残ってる。
思い出しただけで、気持ちが悪い。
「先生、すみません」
「いえいえ、光輝君の意識も戻りましたので、
後はご自宅で安静に」
「本当に、光輝がご迷惑おかけしました」
「…ありがとうございました」
重い身体を起こして、
保健室を後にした。
母さんは仕事を抜けてまで、
学校まで来たらしい。
変に嫌な雰囲気が、
その場には流れていた。
とりあえず車のある場所まで向かわないと。
下駄箱で履き替えないといけないな。
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