#002

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「目が覚めた?」 「…先生?」 「廊下で急に男の子が倒れたって聞いて、びっくりしたわよ」 「…ああ、気絶したんだ」 「で、保健室に連れて来られたわけ。  とりあえず理解した?」 「あ、はい」 「とりあえず親御さんは呼んであるから。  家でゆっくりしなさい」 『理解した?』なんて言われても、 すべて理解してる訳じゃない。 どうして倒れたのかだって分からない。 やけに、あの時の痛みだけが残ってる。 思い出しただけで、気持ちが悪い。 「先生、すみません」 「いえいえ、光輝君の意識も戻りましたので、  後はご自宅で安静に」 「本当に、光輝がご迷惑おかけしました」 「…ありがとうございました」 重い身体を起こして、 保健室を後にした。 母さんは仕事を抜けてまで、 学校まで来たらしい。 変に嫌な雰囲気が、 その場には流れていた。 とりあえず車のある場所まで向かわないと。 下駄箱で履き替えないといけないな。
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