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花びらに付いた雫が、陽の光を浴びてキラキラと輝く。
歩き出そうとすると、一羽の燕が頭上で影を作った。
「旅の方。この先は大変厳しい道ですよ、それでも行かれるのですか?」
「はい。僕は行かなければ。この先に、僕の大切な人が待っているかもしれないのです」
答えると
「そうですか、ではこれを…貴方の無事を祈っています」
そう言って、落とされたのは、小さな
「…石?」
見上げた時には、燕の姿は既になく、
落とされた石を紐で括って首にさげた。
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