プロローグ

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突然だが、皆は“運命論”というものを知っているだろうか? 知らなかったらよく聞いてほしい。知っていてもよく聞いてほしい。 ちなみにこれは俺、泊木八十の解釈論だ。 考えが違うとかなんとかのゴタクはいい。 ようはこの説明から、俺の生い立ちや哀れさを少しは感じてもらえたらいい。 話を戻そう。 運命論、宿命論とも言うが、これは生物、モノ、果ては目に見えないものまでの未来が、神かそれと同等の超越的存在にあらかじめ決定されている――というものだ。 よく自分の将来はレールの上に沿っていくだけ、なんて表現を漫画や小説で見かけるが、これはそんな生易しいモノじゃない。 それこそ、自分の人生全てが神に決定されている。 毎日の献立から、はたまた自分が生きられる日数まで、決められているということだ。 まあ人間いずれ死ぬのだから、そんなことは大した問題じゃない。
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