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などと八十が分析しているうち、デカ女は視線を外して、これまでそうしていただろう、岡本教諭に移した。
「突っ立ったままでどうした。早く座れ」
日比に促され、八十は対面する位置、つまりデカ女の隣に恐る恐る腰を下ろした。
そんな八十をデカ女は訝しむように見ていたが、八十は気付かなかった。
「さてと……泊木、お前の話を聞かせてもらっていいか」
尋ねてはいるが有無を言わさない迫力。
余計なギャラリーもいることからあまり気は乗らないが、渋ってあらぬ疑いを掛けられるのはもっと気乗りしない。
八十は掻い摘んで当時の事情を説明した。
「なるほどな……それについては分かった。だが、今朝早くに寮を出たのは何でだ?」
「それは……」
言える訳がないだろう。
試しにシミュレーションしてみる。
『今隣に座ってる奴を探すために早出をしました』
『……詳しい話は署で聞こうか』
『やだ、キモーい』
「……」
軽く凹んだ。
自覚していても、他人に言われれば傷ついたりもするものなのだと再確認。
日比の台詞(想像)はドラマの観過ぎと謂わざるをえないが、それでも、これに類することを言われるだろう。
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