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「探偵の真似ごとでもするって事か?」
そうでなければ刑事か。
「探偵……。君は冴えない見た目に反して、なかなか適した言葉を使うね。言い得て妙だ」
「誉められてるのか貶されてるのか、複雑だ」
「もちろん誉めているんだよ。ならばさしずめ、私が探偵ホームズ。君が……ワトソン君といったところかな」
「ワトソンって、まるで俺が犯人探しを手伝うみたいじゃないか」
「みたい、じゃない。手伝ってほしい」
「はぃ?」
「というか、手伝ってくれるだろう?」
さも当然、といった感じで聞いてくる。
「何で」
事件のこともあって、ただでさえ教師に目を付けられている。
ここで事件のガサ入れに参加でもしたら、不幸が転じて退学にだってなりかねない。
「私は、君が私の同士となってくれることを前提に話をした。君も、私の誠意に応えてくれると嬉しい」
「……」
強引とか、そういうレベルでは表せないほどの荒唐無稽さに、開いた口が塞がらなくなる。
(それで同士なわけね……)
ここで断ってしまうのは簡単だが。ただそうした場合、十字との接点は断たれ、明日からまた不幸な毎日が続くことになるだろう。
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