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(そもそも俺は、何で十字を探していたのか)
さながらパンドラの匣のように、今までの不幸な人生に十字という名の希望を見つけ、それに縋ってみたくなったからではないか。
関わって風当たりが強くなったって、それは今までとかわらない。
(どうせこれからの人生、変わりが無いものになるくらいなら)
放課後を告げるチャイムが鳴る。
(落ちるなら、落ちるところまで落ちてやる)
不幸のどん底まで。
そうすれば、逆に笑ってしまうような結末だって待っているさ。
「わかった」
八十が考えている間、無言でこちらを見ていた二つの眼をしっかりと見つめ返す。
「協力させてもらうよ」
八十の答えに、十字は満足そうに頷いた。
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