6人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
私は小さく頷いた
涙は止まる事がなくただ溢れた
「私…彼が嫌いな訳じゃない…
でも…」
その瞬間
私は言いそうになった言葉を引っ込めた
認めてはいけない
この言葉を言えば
私は彼と別れてしまう
認めたくない
『お前はさ…
独りが怖いかもしれんけどさ
やけんって誰かを好きなフリしても
いつか相手にもそれが分かってしまうもんやない…???』
アイツはまたタバコを着けながらポツリと言った
私はそれを眺めながら
あの呪いの言葉を呟いた
「私には彼しか居ない」
『そんな事あるか』
「私は彼以外居場所なんてない」
『お前がそう思ってるだけだ』
アイツは顔色(声しか聞いてないけど)を一つも変えずに言い続ける
『お前は独りやない』
『居場所なんていくらでもある』
そして少し考えて
何度も何か言いたそうに口を開くけど
何も言わなくなった
最初のコメントを投稿しよう!