† 第壱幕 雪刻 第壱部 †
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心がこもったように聞こえる声で言って、寅丸は無理矢理話を終えた。それは生まれながらにして持っていた才能による声だった。 「……ちょ、こらぁ!はぐらかすなぁ!……ちょ、待てこらぁぁっ!!」 一人はそそくさと立ち去り、一人はそれを追う。照らす炎が作り出すその二つの影は暗い街に綺麗に吸い込まれていった。 しかし影はもう一つ、街の影に溶け込んだ。
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