毎日

6/10
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
剣道部は一・二年合計で 7人とゆう少なさだけど、 部活はこれくらいの 人数の方が目もとどくから ちょうど良いと 先生も言っていたし 僕もこのくらいの人数の 方がいつでも落ち着けるし。 [僕は手摺りに捕まって 電車にガタゴトゆられ、 窓から、どんどん 変わっていく 夕焼け色に染まった 街の風景を眺めている。] 「キレイだなぁ・・・」 ------------------------ 「あのぉ…すみません、」 誰だろう? 突然左手の方から 僕を呼んでいると 思われる声がした。 そこには電車の 優先席に座っている、 60代前半くらいと思われる、 おばさんがチョコン、と座っていた。 おばさんは黒っぽい花のかかれた、 少し地味な薄手のコートの上に、 薄汚れたクリーム色の スカーフをかけていた。 「僕~...ですか?」 とおばさんに聞くと、 うんうんと小さく 嬉しそうに頷く。 「高町駅には、 いつ頃降りればイイのかねぇ?」 僕はなぜか答えるのを、躊躇(チュウチョ)した。 しんみりと窓の外を見つめて、 自分の世界に浸ってた所を 邪魔されたせいなのか、 はたまた、 単におばさんに答えるのが めんどうだったのかは 分からない。 (そのくらい自分で調べろよ) と心の中で、一人 グチをこぼしまう。 すると、 僕のいる場所から少し離れた所に 同じ三東学園の二人の 女子生徒がこちらを見て、 ひそひそ話しているのが 目に止まった。 一つ上の先輩、 三年生に見える。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!