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剣道部は一・二年合計で
7人とゆう少なさだけど、
部活はこれくらいの
人数の方が目もとどくから
ちょうど良いと
先生も言っていたし
僕もこのくらいの人数の
方がいつでも落ち着けるし。
[僕は手摺りに捕まって
電車にガタゴトゆられ、
窓から、どんどん
変わっていく
夕焼け色に染まった
街の風景を眺めている。]
「キレイだなぁ・・・」
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「あのぉ…すみません、」
誰だろう?
突然左手の方から
僕を呼んでいると
思われる声がした。
そこには電車の
優先席に座っている、
60代前半くらいと思われる、
おばさんがチョコン、と座っていた。
おばさんは黒っぽい花のかかれた、
少し地味な薄手のコートの上に、
薄汚れたクリーム色の
スカーフをかけていた。
「僕~...ですか?」
とおばさんに聞くと、
うんうんと小さく
嬉しそうに頷く。
「高町駅には、
いつ頃降りればイイのかねぇ?」
僕はなぜか答えるのを、躊躇(チュウチョ)した。
しんみりと窓の外を見つめて、
自分の世界に浸ってた所を
邪魔されたせいなのか、
はたまた、
単におばさんに答えるのが
めんどうだったのかは
分からない。
(そのくらい自分で調べろよ)
と心の中で、一人
グチをこぼしまう。
すると、
僕のいる場所から少し離れた所に
同じ三東学園の二人の
女子生徒がこちらを見て、
ひそひそ話しているのが
目に止まった。
一つ上の先輩、
三年生に見える。
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