555人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
まぁ、連絡手段も無いし窓も無いし……
完璧に逃げられんな。
とりあえず歩き回るしかないか。
あ、もちろん警戒は怠らんぞ。
カンカンと無機質な音を立てながら進むと、十字路が。
目前の所で一旦足を止め、壁に背を預ける。
そのまま顔だけ突き出して様子を窺おうとした瞬間――
「待てこらぁー!
私のプリン返せぇー!」
「別にいいじゃん1個くらいさ!
そんなに食べると太るよぉ!」
進行方向より左側から、けんかしてるような叫びが聞こえるな。
通常状態では考えられない瞬発力を発揮し、俺は壁に引っ付いた。
「私はプリンじゃ太らない体質なのよ!
それに視界に入ったプリンは全て私の物よ!」
なんか凄い事口走ってますけど?
ジャイアニズム全開じゃないですか。
てか、声量が段々大きくなってるな。
やっぱ近付いてくるっぽい。
見つからないよいにやり過ごさなくては。
「にゃはは!
そんなの早い者勝ちだよーん!」
「くっ! このぉ!」
最初のコメントを投稿しよう!