2.太陽系

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 まぁ、連絡手段も無いし窓も無いし……  完璧に逃げられんな。  とりあえず歩き回るしかないか。  あ、もちろん警戒は怠らんぞ。  カンカンと無機質な音を立てながら進むと、十字路が。  目前の所で一旦足を止め、壁に背を預ける。  そのまま顔だけ突き出して様子を窺おうとした瞬間―― 「待てこらぁー!  私のプリン返せぇー!」 「別にいいじゃん1個くらいさ!  そんなに食べると太るよぉ!」  進行方向より左側から、けんかしてるような叫びが聞こえるな。  通常状態では考えられない瞬発力を発揮し、俺は壁に引っ付いた。 「私はプリンじゃ太らない体質なのよ!  それに視界に入ったプリンは全て私の物よ!」  なんか凄い事口走ってますけど?  ジャイアニズム全開じゃないですか。  てか、声量が段々大きくなってるな。  やっぱ近付いてくるっぽい。  見つからないよいにやり過ごさなくては。 「にゃはは!  そんなの早い者勝ちだよーん!」 「くっ! このぉ!」
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