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「最後までつき合わせてすまないな…シャル」
リオンは壁に背中を合わせ、座り込んでいる状態で物言う剣ソーディアンを鞘から抜き語りかけた。
「どこまでもお供しますよ。僕のマスターは坊ちゃんです。」
シャルティエの言葉にソーディアンマスターはかすかに微笑みを浮かべた。
激しい音を立てている水がリオンの靴を溺れさせる。
「これで良かったんだろ…?マリアン」
悲しい声で放ったその言葉は騒音でかき消される。
だが鞘に納められているシャルティエには当たり前のように聞こえていた。
凄まじい勢いで天上の岩を突き破り大量の水が流れ込んでくる。
流水がリオンとシャルティエを飲み込むのは数秒も掛からなかった。
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