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「ホレ、正直に言ってみ?」
「…五月蠅い!」
背伸びをして、やっとの思いで谷口さんの頭をバシッと叩く。
すると、驚いたかのように谷口さんは声をあげた。
「あれ?ユーリ、お前背ぇ小さくなったか?」
「…谷口さんが大きくなっただけですよ。」
見下ろされながら言われた事に、何だか腹が立ち、嫌味ったらしく言ってやった。
そして一発、
―――バコン!
「いってぇっ!!てめぇ、なんで急に蹴るんだよ!」
「…なんとなく。」
軽く足を蹴っただけなのに、大袈裟に大声でそう叫ぶ谷口さん。
でも、私は謝る気はなく、舌を出して威嚇してやる。
すると、売られたケンカは買う主義だという谷口さんは、笑いながら私の方へ向かってきた。
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