虹色世界

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カランッ-… 僕のことをからかってくるまどかくんに、 しぶしぶコーヒーを出したところで、 お客さんが来た。 「よっ、葉月。」 入り口で片手をあげてるのは、 ステキな笑顔の佐伯くん。 「いらっしゃい、ませ。」 ビックリした。 来るとは言ってたけど、 今日も来てくれるなんて。 「コイツ?今さっきの話の奴って。」 まどかくんが興味津々って感じで佐伯くんに近づこうとしたので、 急いで引き止めた。 まどかくんは人と関わらせないほうがいい。 零一さんにアイコンタクトで助けを求める。 「あー、まどか。今日はもう帰っちゃいなさい。」 「はぁ?」 僕のアイコンタクトを正しく受け取ってくれた零一さん。 カウンターから出てきて、 抵抗するまどかくんを店の外まで追い出してくれた。 バタンッ- 急に静かになった店内。 気まずそうな佐伯くんが、 入り口の横に立ち尽くしていた。 「俺、邪魔だった?」 自分を指差して聞いてくる佐伯くん。 「いいんだよ。どうせまどかは金払わないんだから。」 そんな佐伯くんをカウンターに座らせながら零一さんが言った。 「気にしなくていいから。」 僕も目の前には座った佐伯くんに言う。 「ならいいんだけど。」 やっと佐伯くんに笑顔が戻った。 うん、佐伯くんには笑顔が似合う。
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