4人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
カランッ-…
僕のことをからかってくるまどかくんに、
しぶしぶコーヒーを出したところで、
お客さんが来た。
「よっ、葉月。」
入り口で片手をあげてるのは、
ステキな笑顔の佐伯くん。
「いらっしゃい、ませ。」
ビックリした。
来るとは言ってたけど、
今日も来てくれるなんて。
「コイツ?今さっきの話の奴って。」
まどかくんが興味津々って感じで佐伯くんに近づこうとしたので、
急いで引き止めた。
まどかくんは人と関わらせないほうがいい。
零一さんにアイコンタクトで助けを求める。
「あー、まどか。今日はもう帰っちゃいなさい。」
「はぁ?」
僕のアイコンタクトを正しく受け取ってくれた零一さん。
カウンターから出てきて、
抵抗するまどかくんを店の外まで追い出してくれた。
バタンッ-
急に静かになった店内。
気まずそうな佐伯くんが、
入り口の横に立ち尽くしていた。
「俺、邪魔だった?」
自分を指差して聞いてくる佐伯くん。
「いいんだよ。どうせまどかは金払わないんだから。」
そんな佐伯くんをカウンターに座らせながら零一さんが言った。
「気にしなくていいから。」
僕も目の前には座った佐伯くんに言う。
「ならいいんだけど。」
やっと佐伯くんに笑顔が戻った。
うん、佐伯くんには笑顔が似合う。
最初のコメントを投稿しよう!