虹色世界

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「やっぱ葉月っておもしろい。」 長い長い質問攻めに頑張って答えて、 最終的に佐伯くんが出した結論。 初めて言われたわけだけども。 「…ありがとう?」 貶されてはいないんだよね? と、判断しての僕の返事。 「そういうとこがイイんだよな!」 また佐伯くんは笑顔。 よくわからないけど、まぁ、佐伯くんが楽しそうだからイイか。 「ゴメン、遅くなって。」 やっと零一さんが帰ってきた。 なんか、早かったんだか遅かったんだかよくわからない。 「じゃ、ヨロシク!」 買ってきたばかりのアイスが僕に手渡される。 「え、葉月がつくるの?」 それにビックリしてる佐伯くん。 「あぁ、こういうのは珪のほうがウマイから全部まかせてんの。」 そういってタバコをくわえる零一さんは苦笑って感じで。 「葉月って器用なんだ。」 と、佐伯くんからは尊敬の眼差し。 …たいしたことないんだけどなぁ。 と思いながら、もくもくとパフェをつくっていく。 バニラアイスの上の生クリームにチェリーをのせて。 気のすむまでチョコレートソースをかければ出来上がり。 「おまたせしました。」 佐伯くんの目の前にパフェを置けば、 効果音はキラキラって感じの嬉しそうな顔。 そんな顔されると僕もつくったかいがある。 というか純粋に嬉しい。 「葉月ってスゲー!」 笑いかけてくる佐伯くんに、なんだかむず痒い気分になった。
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