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「葉月くんて、なんかしゃべりづらいんだよね。」
「あー、わかる。表情変わんないから何考えてるのかわかんないっつーか。」
「そうそう。」
明日提出の宿題プリントを忘れて、
教室に取りに帰ると、
話題になっていたのは自分。
表情が変わらない?
しゃべりづらい?
あぁ、それで、
今まで友達と呼べる人ができなかったのか。
高校二年生になって初めて知った事実。
それでは友達もできないはずだ。
むしろ前向きに事実を受けとめた僕は踵をかえした。
取りに来たプリントのことは、もう頭にない。
まどかくんか、零一さんに相談しよう。
これでやっと友達ができる!
「顔が綺麗すぎるから気後れしちゃうしね。」
「あれは近寄りがたい美形だしな。」
そう会話が続く頃には、僕はもう教室の前から立ち去っていた。
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