6人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだかなぁ」
少女は、雑踏の中で立ち止まった。
夕刻の繁華街は、時間に追われた人々が行き交っている。
<そのボール、拾ってくれませんか?>
「えっ!?」
少女は、慌てて振り返る。
そこには相変わらず、無尽蔵な人の流れがあるだけだ。
ふと、足元を見下ろすと、黄ばんだボールが少女に拾われたそうに転がっている。
人波を気にしながらその場にしゃがみ込み、黄ばんだボールを拾い上げた。
「何これ?」
マジマジとボールを眺める。
最初のコメントを投稿しよう!