誘惑

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あたしは、5分ぐらい抱き締められたまま立っていた。 「湊‥」 そしてもう一度名前を呼ぶと、あたしを抱き締めてた手を解いた。 「愛美‥‥‥」 あたしが振り向くと湊はまたあたしを抱き締めた‥。 「愛美‥‥好きだ‥昔から‥ずっと好きだった‥」 宝物を包み込むように優しく‥優しく湊があたしを抱き締める‥ 「わからないなら‥‥教えてやるから‥愛ってやつ‥好きになること‥全部教えてやるから‥‥俺のになれよ‥‥‥‥」 暖かな体温‥早まる鼓動‥ 香る湊の香水‥ あたしより太くて長い腕‥ 広い肩‥堅い胸板‥ 黒に近い茶髪‥ すべてがあたしを包み込んだ‥
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