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「そんな……、嘘だろ……」
たった今、現実に起きた出来事──それら丸ごと全否定する言葉を、呆然と呟いた。
普段から走り込んでいる所為か、息はさほど乱れてはいない。
しかし、息が詰まるような感覚が拓海を襲い、しだいに呼吸は苦しくなっていく。
立ち眩みがする。
人の声、車の走る音など──周りの全ての音が、聞き取れなくなる。
視界がぐらつき、目の前が真っ暗になる。
…………信じられなかった。
なんで? どうしてっ?
負ける要素なんか、どこにもなかったはずだ!
なのに、なんで俺が、こんな奴なんかに……!
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