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「ごめんなさい……う、あっ……助け……ごめんなさっ…っ!」
何度も何度も。男はまるで操り人形のように、言葉を繰り返した。
人が余裕で四人は寝転べそうなベッドの上。一糸まとわぬ姿で仰向けに転がされ、瞼の上には目隠し、手は後ろでに拘束されて自由を封じられている。
そんな芋虫のような状態の彼に群がる、男、男、男。
汗や涙や体液や色々……もはや誰のものかさえ判別のつかなくなった液体にまみれながら、意味もわからず必死に許しを請う姿────それがなんと愉快で、滑稽なことか。
「くくっ……」
その舞台から少し離れた場所で、壁にもたれかかりながら"演劇"を眺めていた男が、静かに喉を鳴らした。
「昴(スバル)さーん。ほんとに参加しないんですかー?」
先ほどまで遊びのさなかにいた一人の男が、その壁にもたれかかっている男──昴に近寄り、声をかけてきた。
俺のことは構わず楽しんでな?という返事をする代わりに、昴は手をひらひらと振る。
「珍しいっすねー。昴さんが参加しないなんて」
「やだあなた知らないの? 今回の遊び道具のこの子は──」
女口調の男が、声を大きく面白おかしそうに理由を告げた。
どこかおしゃれなバーのような薄暗い照明が、この空間を怪しく照らしている。
部屋は広く、今室内には人が十人以上はいるのに、スペースはまだまだ余裕。おそらく百人は収容できることだろう。
だから、ちょっとしたパーティーにはもってこいの場所だった。たとえば今、このような……。
「なんで……っ、こんな……っ」
この遊びの対象となっている男は泣き喚き、そして時折疑問をこぼした。
なぜこんなことを? もうやめてくれ!
しかし男たちは止まらない。野獣となり、あるいは無邪気におもちゃで遊ぶ子どものようにいたぶり、傷つけ、そして笑い。
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