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しばらく歩いていると、姫が立ち止まる。生け垣の一部分に、抜け穴のような穴が開いている。
『この穴から外に出られます。』
「この城の防犯はどうなってるんだ…。」
無意識に呟くと、姫はいたずらっぽく笑ってから、また何かを書き始めた。
『よく、ここから城を抜け出してたんですよ。』
「えっ!?その格好でですか??」
俺がなんだかとんちんかんなことを言うと、姫は茂みの中から缶の箱を取り出して開けて見せた。そこには姫が着るとは思えないような、町の人間が着るような洋服が入っていた。
意外とアクティブな人らしい。
「へぇ…ってこんなに呑気にしてる場合じゃありません。早く逃げないと…」
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