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俺が背中を押すと姫はすんなり穴の中に入っていく。俺は、姫の服を掴んで金が入っているバックに詰め込んで、姫の後を追った。
しばらく四つん這いの状態で進んでいくと、俺が見慣れた道に出た。
俺が辺りを見渡していると、姫が俺の肩をたたいてきた。
『着いてきてください。』
俺にノートを見せると、姫はずんずんと歩いて行き、ちょっと綺麗とは言い難いような宿屋に入っていった。
俺達が宿に入ると、宿屋の主人が出てきて、姫を見た瞬間に目を丸くした。
「あんた…しゃべれない麗ちゃんかい!?」
宿屋の主人が言うと、姫はコクンとうなずいた。宿屋の主人の目がますます見開かれる。
「どうしたんだい!?その服…見違えたよ。貴族と結婚でもしたのかい??」
その言葉を聞くと、姫は首を横に振った。そして宿屋の主人に向かって手を動かし始めた。宿屋の主人は手話がわかるらしい。姫の手話を見ながらうんうんと、頷いている。
「そーゆうことなら一部屋貸すよ。そこでいろいろ準備するといい。」
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