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俺が呆気にとられていると、いつの間にか姫が降りてきていたらしく、俺の服の袖を軽く引っ張っていた。
ハッとして姫を見ると、姫はちょっと小首を傾げて、ニッコリと笑った。
「あ、お待たせしてしまい申し訳ありません。」
俺が言うと、姫は首を横に振りながら俺の腕を掴んで、階段の方に促した。
部屋に入ると、姫はベットに腰掛け、隣をポンポンと叩いた。隣に座れと言うことらしい。
さすがに隣に座るのも気が引けるので、俺は姫の前の床に座った。姫はキョトンとした顔をしてもう一度隣をポンポンと叩いた。
「いえ、俺はここで大丈夫です。」
俺が言うと、姫は片方だけ眉をピクッと上げて、それから床に座ろうとする。俺は思わず姫の肩を押さえる。
「姫様はそちらにお座りください。俺は床で大丈夫ですから!」
『どうしてですか?』
姫が差し出してきたノーとにはそう書かれていた。
「それは…」
俺が口ごもっていると姫はノートを俺の目の前に掲げる。
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