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「今から手を離すけど、絶対騒ぐなよ。騒いだら殺すから。」
俺がそう言うと、女の子…姫はコクンと頷いた。
俺は姫の口元からゆっくり手を離した。
姫と向き合う感じで正面に立つと怯えた顔で見上げてくる。なんだかかわいそうな気になってくる。奴隷制を作った王族なんて恨んでもいいくらいの存在なのに。
「巻き込んだ形になってごめん。すぐ出ていくからさ。」
気がついたらこんなことを口走っていた。つくづく俺も甘いよな…考えが。
よくよく今の立場だって考えてみれば叫ばれてもおかしくない。
まぁ、姫は叫ぶ気ないみたいな感じだけど。
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