最悪

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「くすくすっ♪大丈夫?足怪我してるなら前ちゃんと見なきゃダメだよ♪」 女からはふわり、と甘くいい匂いがする。 「あ‥あぁつか誰だよお前‥」 俺の足が痛く無いように気を使い、ゆっくり立たせてくれた。 「あたし?あたしは♪ ‥‥って‥君の名前聞いてない!! 聞く前に自分から言うのが礼儀でしょ!?」 あれ‥? 容姿と中身が全然違ぇ 馬鹿か‥こいつ馬鹿なのか‥ 黙ってりゃあ、すっげぇ美人なのによ‥やっぱり神様は二物も三物も与えねぇんだな‥ うん、公平だ。 俺は一人彼女に対し酷い納得をしていた。 「俺は新城 翼<シンジョウ ツバサ>>だ。」 彼女はゆっくりベンチまで手を引いてくれた。 「ふぅん♪あたしは椎名 璃捺菜<シイナ リオナ>だよ♪この病院の院長の娘なの」 でっけぇ総合病院の娘ねぇ‥ いや‥こんな女でも頭がいいかもしれねぇ‥ なんせ病院の娘‥ 「よろしく」 頭の中では今だ酷いことを考えながら軽く挨拶した。 でま不思議だな‥ さっきまでのイライラが消えてる‥ 璃捺菜のお陰で‥ やっぱり俺ら運命だったんだな‥
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