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名前は朝霞優奈。俺の二つ上の先輩である。
「修平はこっちにいたんだね」
「いや、俺もちょっと前に帰ってきたばっかだよ。それまでは東京にいた」
「え?東京に?それは奇遇だね。あたしも東京にいたんだよ。今帰ってきたとこ」
人は死を間近に感じると、故郷が恋しくなるものなのかもしれない。
俺がこうして帰ってきたように、綾音もユウちゃんも地元へ集まってくる。
「やっぱり死ぬ前に地元に来ておきたいって思ってさぁ。修平も同じでしょ?」
「そうだな。同じかも」
「修平は見ない間にカッコよくなったね」
「そうかな…」
「えい!」
「むはっ!」
突然ユウちゃんは俺を抱き寄せた。俺の顔は薄着の彼女の胸の谷間にすっぽりと収まる。
何がなんだかわからない俺は、焦ってもがいていた。
「んーんー!」
「どう?お姉さんの胸の中は?暖かいでしょ?」
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