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確かに暖かいし、いい匂いだし、中学の時に憧れた先輩の胸の中だけど、ここは駅前だ。
人の姿は見当たらないけど、こんな事されてるのを見られるのは恥ずかしい。
俺はなんとかその柔らかい胸の中から顔を上げる。
彼女は妖艶な笑みを浮かべて俺に顔を近付けた。
「修平?彼女はいるの?」
会話するには少し不便すぎる程近い俺たちの顔。
俺の心臓はいつになくスピードを上げて鼓動を刻む。
「彼女は…いない…」
「ま、いても関係ないよね」
ユウちゃんは俺が何を言う暇も与えずにキスをした。
俺は未だに思考が追いつかない。
キスをして約五秒。俺の頭を押さえて離さない彼女。
やがてその舌が俺の口の中へと侵入してくる。
唾液が口からこぼれ落ちた。
「ぷはっ…」
俺はようやく彼女の呪縛から解き放たれ、口元を拭った。
「ど、どうしたんだよユウちゃん…!」
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