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終わりの始まり
処刑台にあがった大久保大和(おおくぼやまと)は、これから斬首されるにも関わらず顔色ひとつ変えずにいた。
大久保の処刑を一目見ようと多くの人々が集まり、その人だかりから大久保に向かって、様々な言葉がぶつけられた。
しかし少なくともその言葉の中に、大久保を惜しむような声はなかった。
そして処刑の時を迎える。
「何か言い残すことはないか?」
執行官が尋ねたが、大久保は正座をして眼を閉じたままだ。
しばらくの沈黙のあと執行官が刀を振り上げると、大久保は誰にも聞こえない声でつぶやいた。
「楽しかったな、歳…。」
この大久保大和の処刑から10年ほど前から物語は始まる…。
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