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―陸斗SIDE―
―――――…
―――…
――…
―――…わかった、と言わざる負えなかった。
弥姉の腕は震えていて、
言葉とか言い方とか…苦しそうで…。
せっかく…あれから話せるようになったのに。
「―――…。」
―――すごい遠い存在だった。
姉弟なのに…一緒に暮らしているのに、他人のようで…。
俺とは正反対で、血を疑った時もあった。
特に意識なんてしていなかったが、話せたら楽しいかなぁなんて思ったり……。
だから嬉しかったんだ。
あんなことがあっても、一緒に話せたことが……。
陸斗は顔をあげ、弥の後ろをついていく。
会話がない今、周りはシーンとしていて寂しさを感じる。
そして陸斗は最後に弥が言った言葉を考えていた。
その言葉がなぜか自分の胸に深く突き刺さったからだ。
弥姉が俺から離れた瞬間から、俺達はもう昔に戻った。
そしてもう、二度とあんなに仲良くすることはない。
そう思うと胸の痛みが余計に増したんだ。
あの言葉が…深く胸に響く――。
『…なんで陸斗はあたしの弟なんだろう――…。』
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