・思い知らされる現状

2/16
1709人が本棚に入れています
本棚に追加
/734ページ
―弥SIDE― ―――…今の生活がこのまま続けばいい。 前からそう思っていた。 でも本当にそれでいいのか、 そう考えさせられる日は突然やってくる。 ―――――… ――――… ―――… 「ねぇねぇ、明日にしない?」 「………え?」 放課後、突然あたしの所へ来たのは未来と夏希。 それはそれは、楽しそうにあたしに笑顔をむけていて…………。 「お泊まり会!」 そう一言、夏希が口を開いたのだ。 それに首を傾げるあたし。 「……はい?」 「前から言ってたじゃん!お泊まり会三人でしよーねって!」 にっこりと笑顔で未来は言い放つ。 確かに言っていたが……。 「なんで急に……?」 「ほら、これよ!今女子に人気の映画!」 こくこくと首を縦に振る未来とあたしにバッとチラシを見せつける夏希。 あたしはそれを手にとり、内容をみていく。 「………『二つの欠片の行方』……?」 ………って、なんだっけ? この前のランキングで一位だったのは知っているが……。 内容は特に知らないんだよなぁ……。 「んで、明日その映画を見たあと、弥の家でお泊まり!」 「えー!?そんなの急すぎだって!」 夏希の発言に首を横に振る。 だいたい、お母さんの許可も………。 「あっ、弥のお母さんには了承を得たからねっ!」 携帯をチラチラ見せながら未来はそう言い放った。 「ね……猫が……」 「「全然気にしないから――…♪」」 あー――…。 負けた……。 いや、全然嫌じゃない。 むしろ楽しみ。 けど……… 「んじゃ、また明日10時に噴水の前ね!」 「ばいばーい!」 二人はそう言うと教室をでて帰っていったのであった。
/734ページ

最初のコメントを投稿しよう!