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どこまでも勝手なんだから。
見たい映画も、泊まる家も強引で……。
「…………」
…………まっ、いっか。
こういのは楽しみだし、嫌いじゃない。
明日は思う存分楽しもう!
そんなことに胸を弾ませながら弥は荷物を持ち、教室をでたのであった。
――――…
―――…
――――――…
―――そして翌日
文句なしの晴天。
たくさんの人々が集まるこの都会の町。
その真ん中に位置する噴水。
ベンチに座るカップル。
犬の散歩をしている人々。
「―――…おっそーい!」
―――…そして一人立っているあたし…。
たく……約束の時間からもう10分も経ってる!
こういう10分は長いし、時間はちゃんと守ってほしい。
昨日メールで『時間厳守!』って書いた夏希と未来の張本人が―――…!
心の中でそう叫べば、自然と黒いオーラが自分の周りを漂う。
それに気付いてか、周りの人達が自分を避けてるような―――…。
「弥――…!ごめん!遅れた!」
そんなタイミングで少し遠くから夏希と未来の姿が見える。
「―――…おっそい!時間厳守って書いたのはどこのどいつよ!」
「ご……ごめんって!丁度夏希と出会って、今日発売の雑誌を二人で見ていたら遅れちゃって……」
困ったように笑いながら手を合わせて謝る未来。
その隣りで、てへ☆と、反省の色一つ見せてない夏希。
こいつは………。
「ほんっとにごめん!ジュースとかおごるから!」
「あたしはポップコーンおごるから!だからそんな恐い顔しないの!」
ポンポンと、あたしの肩を叩きそう言い放つ夏希。
それに自然と顔が緩む。
「しょうがないなぁ、んまあ許す」
「……その上から目線ムカつく~!」
そう言いながらも笑いながらグリグリとあたしのおでこを刺激する夏希。
アハハと、笑いながらあたしもまた夏希にやり返す。
「ふふ…じゃあ行こっか!」
そんな二人の様子を見ていた未来が間に入り、口を開いた。
それを合図にあたし達は映画館へ向かったのであった。
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