・かわいいあの子

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―弥SIDE― ―――クリスマス、大晦日、正月もあっという間にすぎ、 学校が始まってしまった……。 ――――1月 まだまだ寒くて、制服の上着の下にカーディガンを羽織る。 それでもやっぱりスカートは寒すぎて……。 とゆーか、学校がめんどくさい……。 短い冬休みも最後となってしまった。 今年、あたしはこの高校を卒業するのだ。 なんか…早かったような……。 そんなことを感じながら、はぁっとため息をつく。 そうすると白い息がすーっとでた。 今日は雪が降りそうだ。 ―――…いや、それより、 「なんでこんなことしなきゃいけないのよー!」 二つの校舎に挟まれている中庭。 あたしはそこでそう叫んだ。 「あんたが提案したんでしょ、ばか!」 そばにいた夏希は手に持っていた草をあたしに投げた。 ――――…そうなんだけどさ… こんな寒い時期に生徒会メンバーで中庭で草むしりなんて…ね。 夏にやるのは暑すぎるから冬にやるぞーって決まって……。 本当は各クラスごとにやることになったんだが……。 あたしが色々サボってしまい……… それに先生が呆れて、お前らがやれって言われたんだよねぇ。 「だいたい、杉野が除草することを冬休み前に知らせないから……」 「だって色々バタバタしてて…すみませんね!」 そう言い放つ神楽にぶつぶつ言いながら、謝った。 今頃、みんなは温かい教室でHRをやっているだろう。 もうすぐ授業が始まる……。 「そろそろ終わるかー?」 少し遠くにいる守がそう言い放つ。 やっぱり、四人だけじゃ草はまったく集まらない。 これじゃあ帰りも居残り、かなぁ……。 「あ、弥そういえばさ…」 「ん?」 草むしりに使った道具を片付けていた時、隣にいた夏希が声をかけてきたのだ。
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