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今では夏希と同じで本当に信頼できる人。
陸斗のことも……全て話してしまうほどだし。
まぁ、何度も好きな人は誰かーって聞いてくるからイラついて勢いあまって言ってしまったのだが………。
でも軽蔑することなく、『よく頑張ったな』と頭を撫でてくれたことはよく覚えてる。
嬉しかったのだ。
ここまで来れたのも、この二人のおかげかもしれない。
「……ふふっ、んじゃ、あたしちょっと未来と会う約束があるから……またねっ」
怪しい笑みを浮かべ、ニヤニヤしながらあたしと凉平を残し、立ち去ってしまった。
「あいつ、最近未来ってやつとどっか行くよな」
「………」
………本当に未来との約束なんてあるのだろうか。
明らかに狙ったとしか思えないのだが……。
「まっ、いっか。腹減ったし、食堂いこうぜ」
特に怪しむ様子など見せず、凉平はそう言い放った。
「……う、うん」
「なんだよ、俺の顔じーっと見て……あ、惚れたな?」
「はぁ!?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら、凉平は突然そう言い放った。
その言葉に驚きながらも、あたしは返した。
「ばか!そんなわけないでしょ!」
「顔を赤くして反論するところが怪しい……」
「―――…っ…さ、先に行ってるから……」
体を反転させ、食堂のある場所へ向かう。
後ろでクスクスと笑う声が聞こえたが、それには触れずにとにかく早く歩いた。
あれからきっと臆病になってしまった自分。
そんな今の自分に恋をする資格などないと思った。
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