・胸の中に全てを

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『あ、弥ー!聞いてよ!』 いつもより高い声。 その声から夏希が今上機嫌だ、ということがわかる。 「なになに?どうしたの?」 『さっきね、守から電話あってさ、今週の土曜日みんなで会わないか?だって!』 楽しそうに話す夏希。 これが機嫌のいい理由か……。 「いいね!わぁー…久しぶりに生徒会メンバーで会えるね!」 夏希の話にあたしまでテンションがあがった。 『あー、でも久志は忙しいから無理なんだって。だから涼平連れて来たらどうかな?』 夏希がそう提案した。 「はっ!?凉平?なんで!?」 『そしたら男女二人ずつになるでしょ?別に深い意味はないわよ!』 そういいながらも、夏希は楽しそうにクスクス笑った。 その反応から、明らかに裏がありそうな……。 「べつにいいわよ!凉平なんて誘わなくても……」 『男が守一人だとかわいそうでしょ?じゃ、また詳細は会った時に!ばいばい』 そう言うと一方的に電話を切ってしまった。 強引なんだから……。 携帯を鞄の中にいれ、寝転ぶ。 土曜日……か。 なんだかんだ言いながらも楽しみにしている自分がいた。 そして天井に向かってクスッと笑うのであった。
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