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「……クリスマス?」
「去年はできなかったけど…今年はどうかな?なおは大丈夫だって言ってたけど……」
クリスマスは……
「……あぁ、大丈夫。玲奈(れな)が友達の家でパーティーだから。まぁ、それが8時までだからそれまでしか無理だけど……」
「え?それじゃあ玲奈ちゃんがパーティーに行っている間までは大丈夫なの!?」
「……うん」
「やったー!んじゃあ、空けておいてね。詳細はまた言うから!」
日和の嬉しそうな顔に俺も笑ってみせる。
「……じゃあ、そろそろ行くな」
腕時計を見ながら俺はそう言い放つ。
「あ、うん。玲奈ちゃんの迎えだよね。また明日!」
手を振る日和に俺も手を振る。
そして小走りで目的の場所へ向かう。
───…生田日和は俺となおの友達で、二年の最初に声をかけられ、友達になった。
『ずっとあなた達と話してみたいって思ってたの。友達になってくれない?』
そう一番最初に言われた時はとても驚いた。
クラスにいる女子ではなく、俺達だったからだ。
あとでその理由を聞いてみたら、友達とはクラス替えで全員と離れてしまったらしく、
前から俺達に興味があったから、だとか……。
「………」
周りの人の声が耳に入る。
楽しそうな声。
雪で騒ぐ子供の声。
楽しそうに歩いているカップル……。
こんな時でさえ、一人になると思いだしてしまうのは、それほど未練があるからだろうか。
今となっては想いと罪悪感でしか残っていない───…。
あれから一年半以上たった今。
これからもこの想いを胸に抱え、生きていくのだろうか……。
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