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「証…かな?」
弥は少し言いにくそうに、答える。
「証…?」
答えの意味が分からず、首をかしげる。
「…いつかわかるよ。」
「いつかって──…っ」
言い返そうとした時だった。
再び深いキスが始まったのだ。
絡めあうようになり、すぐに酸素を求めてしまう。
柔らかな感覚に体中が甘さで支配される。
「はぁ、まっ……!」
何度も何度も、ゆっくりと離れては再び───…。
呼吸は完全に乱れ、頭がクラクラして目の前がチカチカする。
「ハァ、ハァ……んっ、弥ね…やっ…やだ!だめだって……はなし…」
首筋に優しく唇が触れながら服のボタンが 外されていく―…。
心地いいような、変な感覚。
こんな状況でもわかってるのに、
でも力が入らず、なぜか安心感がでてしまうのは………。
「……陸斗?」
「ふっ……うぅ…もう嫌だって……弥ねぇ…」
「ごめんね……あとで気が済むまでぶっていいから」
ぎゅっと手に込める力。
違う
嫌なのはこの自分の半端な気持ち。
モヤモヤして、はっきりしない気持ち。
情けないことに、涙が止まらなくて……
姉なのに……
弥姉は実の──…
――…行為はエスカレートし、抵抗する余裕もなく、姉弟だとわかっていても…最後まで浸ってしまったのだった―…。
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