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―――…
――…
―…
「あっ、陸斗!」
「…えっ?」
「もう…ネクタイ変よ?」
シャワーを浴びたあと朝食をとり、支度も終え学校へ行こうと扉を開けようとしたときだった。
鈴乃は陸斗に近寄り、ネクタイを直す。
―跡がバレたかと思った…。
陸斗は首筋を抑え、心の中でつぶやいた。
幸い首筋と手首の跡は隠すことができたのだが、やっぱり気になってしまうものである。
「―…これでよし!やっぱ、ブレザーはいいわねー…。」
鈴乃は満足そうに微笑んだ。
「…―あら?」
「えっ?」
「陸斗、眼鏡は?」
鈴乃は思い出したかのように陸斗に問いかける。
「―…えっ、あっ…眼鏡?今日は何となく…外していこうかなーって思って…。」
陸斗は内心ホッとしながら答える。
跡がバレたら、鈴乃の性格からしてしつこく聞いてくるに違いない。
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