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「…………。」
陸斗は半泣きになりながらも自分の席へと向かう。
俺…なにかした…?
してないはずなのに…。
陸斗は俯きながら考える。
「陸斗、おはよう!」
「…あっ…なお…。」
席につこうとした時だった。
陸斗に勢いよく声を掛けてきたのは武本尚宏(たけもとなおひろ)だった。
尚宏は中学からの親友で唯一心を許せる人だ。
「だーっ!陸斗!なにまじで泣きそうな顔をしてるんだ…。」
尚宏は困ったように陸斗を見る。
「…だってなお…みんな俺見ると様子が変になるもん…。」
陸斗は俯き、悲しそうな顔をする。
「大丈夫だから!別にいじめとかじゃねーし…。…てか周りの反応、ちゃんと見てみろよ。女子の顔が赤くなっているだろ?」
陸斗は言われたとおり、教室の中を見渡す。
…確かに女子は顔が赤いが…。
「…みんな風邪ひいてるのかな。」
「……………はっ?」
「だって…顔赤いから…。」
陸斗は心配そうに言う。
そんな陸斗の反応を見て尚宏はあきれた顔をする。
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