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「ハァー…おまえさ、眼鏡外した自分の顔、鏡で見たことある?」
尚宏は溜め息をつきながら言う。
「……………は?」
当たり前だろというような顔をして陸斗は返す。
「……まっ、そりゃそうだろうな…。いやー…それにしても、眼鏡とったらかっこいいかもなーって思ってたけど…こりゃ予想以上だったわぁ。」
尚宏は陸斗の顔をじろじろと見る。
「……なんか今日のなお、変。…みんなもだけど。」
陸斗は眉をつりあげて言う。
「……俺は自分の魅力に気付かないおまえの方がよっぽど変だと思うけどな…。かなり天然だしさ。」
「……天然?天然って…なにか俺が自然なのか?」
陸斗は首を傾げて尚宏に問う。
「いや…意味不明。てか、そういうところが天然なんだよ。」
「ふーん…。」
「えっ、なにその冷たい態度。」
陸斗はどうでもよくなり、素っ気無い返事を返す。
「………んまっ、眼鏡を外していれば苛められる心配はないだろう。…あいつら、俺が見ていないうちに陸斗に声かけるからなぁ…。」
「…………?」
「つまり、明日から眼鏡はかけてくんなってこと!わかったな!!」
尚宏はやや強い口調で陸斗を説得させる。
そんな尚宏に、陸斗はただ縦に首を振ることしかできなかったのだった。
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