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「……………あれ?」
いつも通り、本棚に腰をかけて本を読んでいると思っていた陸斗がいないことに弥が声を漏らす。
「――…スー…んーっ…スースー…。」
「――…!?」
突然部屋の中から声がし、びっくりする。
弥はそっと部屋の中に入り、声の主を見る。
「…な…なんだ陸斗かぁ…。今日は寝てるのかぁ。」
気持ち良さそうに寝ている陸斗を弥は微笑みながら見る。
………………………………かわいいなぁ。
やっぱ好きだなぁ。
―――でもきっと陸斗は私のこと嫌いだろうなぁ。
弥は悲しそうな表情を見せ、陸斗を起こさないように、静かに机へ向かう。
…………どうか、陸斗が起きませんように………。
弥は陸斗が起きないように静かにそっと支度を始める……。
「スー……スー―。」
「………………。」
「……スー―………スー…。」
「………………。」
「………スー…スー…。」
「………………………。」
~♪チャチャチャン♪~チャララッララ♪~~
「………スー…ス…んぅ…ん…?」
「…………………!!!」
突然弥の携帯が鳴り、寝ていた陸斗は目をゆっくりと開ける。
それと同時に弥の顔が真っ青になっていく。
………ど…どうしよ。なんて声をかければいいのか…。
なんでこんな時に限って携帯が鳴るんだろうか。
どうしよ…………。
「………ん…弥ね………。」
寝起きのため寝ぼけている陸斗は体をおこし、目をこすりながら弥を見る。
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