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陸斗は顔を赤くして、恥ずかしそうに尚宏を睨んでから返事を書きだす。
【好きじゃないから】
陸斗は少し乱暴に紙を滑らせる。
尚宏は腹を押さえ、返事を書く。
【あんなに動ようしてたのに?】
【おまえがきゅうに変なこというからだ!】
【変なことじゃねーよ
好きなくせに】
【だからちがうって!】
――――カーンカーン
休憩の合図の鐘が鳴る。
周りの人達が背筋をのばしたり、話しだしたりとガヤガヤし始める。
「………素直になれよ。」
尚宏は陸斗に近付き、ニヤニヤしながら声をかける。
「だから好きじゃないって。」
陸斗はため息をつきながら言う。
「でもおまえ、長谷川先輩にすごい気に入られているじゃんか。」
「………そんなん関係ないし。好きじゃないし。」
「…好きじゃないの一点張りだな…。」
尚宏は諦めたように言い、問いつめるのをやめた。
「…………。」
陸斗は黙りこみ、頬杖をついたのだった。
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