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―弥SIDE―
―――――…
――――…
―――…
「――――す…る……?」
「だ……こ――…?」
――――うるさい。
数人の人達が集まってざわついている。
布団の中から外を見ることができないから、何を話しているかわからない。
だが、視線がこちらに向けられているような気がする………。
弥は布団の中で丸くなり、おとなしくする。
―――――トントントン
誰かの足音がこちらに向かってくる。
その足音はどうやら怒気を含んでいるようだ。
――――そして、その足音の主は弥の前に立つと大きく息を吸い、叫んだ。
「――――…弥!起きて!」
未来は布団を剥がそうと、必死に引っ張る。
だが剥がされまいと弥は中から体重をかけ、押さえる。
「今何時だと思ってんの!?もう9時だよ!?6時にはもうみんな起きてるんだから!さっき食堂行ったら、生徒会の人達があんたがいないから朝食食べられなくて困ってたよ!」
「うぇー…なんで?」
未来に発した今日の記念すべき第一声“うぇー”。
―――――……。
いや、それはどうでもいいとして……。
――――…なんであたしがいないと朝食食べられないのよ……。
「打ち合わせをするからだって!会長がいないとできないらしいし、先生から朝食を貰えないんだって。」
「……えーでもそん\%$¶‰▲〒§☆!!!」
い…痛い…。
舌噛んじゃったし。
「………はっ?……って、いいから!起きる!10時から勉強始まるんだからね!」
「………っ…はい。」
――しっかり者の未来には負けました……。
さすがに迷惑かけすぎてるし…起きるか…。
弥はのそのそ起きあがり、新鮮な空気を吸う。
「たく……って、弥!?大丈夫?」
「…………えっ?」
未来の言葉に弥は驚いたように目を合わせる。
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