・今、素直に

3/22
1709人が本棚に入れています
本棚に追加
/734ページ
「ほんとだっ!大丈夫?」 弥と未来のやりとりを見ていた子達が心配そうに弥を見て近寄る。 弥はなぜ心配されているかわからず、首を傾げる。 「もう…違和感ない?目、すごい充血してる……。」 「あぁ……。一睡もしてないからかなぁ?」 「「はっ!?」」 弥の思いがけない言葉にそこにいた全員が驚く。 「なんで?眠れなかったの?てゆーか……だったら布団からでてこればよかったのに。」 「いやー…なんか疲れとかあまりとれてなくて……起きるのつらいからま、いっかーって……ごめん。」 弥は小し笑いながら謝ると、立ち上がり急いで支度を始めた。 「あんまり無理しないでよ?何があったか知らないけど……親友なんだから、悩みあったら聞くからね!」 未来は弥に近寄り、声をかける。 未来の表情を見て、自分がどれだけ心配かけたかひしひし伝わってくる。 「ん……ありがとう!でももう大丈夫だから!」 弥はにっこり笑うと、顔とかを洗うため洗面所へと向かった。 「わっ……こりゃひどいかも。ははっ!」 鏡を見て弥は一言笑うと髪をとかしたり、歯をみがきだした。 ―――――… 一晩悩んだおかげでけっこうすっきりした。 陸斗の一言でこんなに悩んでしまう自分に驚いたし、情けなかった。 ―――でもそれだけ、自分が陸斗のこと好きだったんだなぁって思い知ることができた。 ――――大丈夫。 強くなれる。 もうなに言われても悩まない。 ――――まぁ当分はやっぱり陸斗のこと忘れられないけどね。 「…………よし!」 顔も洗い終わり、一通り身支度を終えると意気込んで、未来達の元へと戻る。 「………本当に大丈夫?」 未来はいまだに心配そうに弥を見ている。 他の子達も未来と同じように心配しているようだ。 「大丈夫だよ!じゃ、いってくる。」 弥は心配かけまいと思い、明るくそう返すと部屋をでて、食堂へとむかったのであった。
/734ページ

最初のコメントを投稿しよう!