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「………まぁ、気を取り直して、杉野、話進めて。」
「あっ、うん…。」
久志の言葉にるいは返事をし、話し始める。
「肝試しなんだけど、勉強終わるのが6時だから、6時半~7時まで夜ご飯で7時半に裏山の広場に集合。んで説明とかをして、8時に肝試し開始。どう?」
「ん、いいと思うけどここの学校の生徒、2000人くらいいるんだぜ?どうやったらスムーズに進む?……11時までかかっちゃわねぇか?それじゃあさすがに肝試しは行えねぇな。」
…………確かに。
でもちゃんと考えてきたんだなぁ、これが♪
頬杖をつきながら意見をだす守に、弥は得意げににっこりと笑う。
「参加するかしないかは自由。強制するのは可哀相でしょ?それにここの合宿所の肝試しって、めっちゃ怖いらしいし……。」
「なるほど……それで人数が減るってわけか。」
守は少し感心したように言う。
「そう、しかも肝試しのルートの道が5つあるから、好きなルートについてもらえば、すぐ終わることない?」
――――…昨日、ただずっと陸斗のことを考えていたわけではない。
ちゃんとこのことも考えていたのだ。
「………うん!いいと思う!」
夏希の賛成に弥は笑顔をみせる。
「俺もいいと思う。な、久志。」
「うん。」
それに続いて守、久志も賛成する。
「んじゃ、決定だね。もう時間がないから、また詳しいことは肝試しの直前に話すよ。お疲れ様でした!」
弥はそう言うと席を立ち、未来達のいる部屋へと足早に戻る。
「んじゃ、あたしも戻るね。あとでね~!」
「………うん。」
「…………。」
走って戻る夏希に久志は返事をし、手を振る。
しかし、守は何も言わず弥が帰っていった道をただじーっと見ていた。
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